現代のスポーツビジネスにおいて、勝利は絶対的な価値を持つ。特にプロの世界であれば、敬遠は知的な戦略として称賛されることすらある。しかし、甲子園という舞台は特殊だ。アマチュアスポーツでありながら、全国放送され、国民的な関心を集める巨大エンターテインメントとしての側面を併せ持つ。
「勝たなければ意味がない」と考える指導者と、「教育的価値と感動」を求める世間のギャップは、30年以上経った今も埋まっていない。むしろ、SNSの発達によって個人の意見が可視化されやすくなった現代において、この対立はより先鋭化していると言えるだろう。