主祭神として祀られているのは市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)であり、神仏習合の時代においては弁財天と同体とされてきた。弁財天は水の神であり、同時に音楽や言葉、舞踊といった「表現」を司る神でもある。
起源は飛鳥時代にまで遡る。修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が大峰山での修行に際し、弁財天を感得して祀ったことが始まりと伝わる。後に高野山を開く弘法大師空海も、高野山開創の前にこの天河で大峯修験の行を重ねた。神道、仏教、修験道が交錯し、互いの霊性を深め合ってきた歴史の厚みこそが、境内に漂う圧倒的な空気感の源泉となっている。