波頭が崩れる瞬間、サファイアのような光が弾ける。この現象の正体は、プランクトンの一種である「夜光虫」の急激な増殖だ。例年であれば局所的に見られる現象だが、今年は規模が違う。千葉県東部から南部にかけての広大なエリアで、これほど広範囲かつ濃厚な発光が確認されたのは過去に例がない。
海洋生物学者によると、今春の急速な気温上昇と、黒潮の蛇行に伴う沿岸水温の急激な変化が原因だという。栄養塩が豊富に供給されたことで、夜光虫が爆発的に増殖。昼間は赤茶色の「赤潮」として海を濁らせる彼らが、夜になると一転して、波の刺激を受けて青く輝くのだ。