なぜペンギンでも、ウサギでも、定番のテディベアでもなく「鴨」なのか。この問いに対する答えは、キャラクターの持つ独特のフォルムと表情にある。
「キャラクターが笑顔すぎると、疲れているときは逆に眩しすぎて重荷になるんです」。都内の大学に通う21歳の学生はそう明かす。つぶらな瞳と平らなくちばしを持つ鴨の顔立ちは、過度な喜怒哀楽を感じさせない。「笑ってもいないし、泣いてもいない。ただそこに居てくれる」。この「無感情さ」こそが、絶えず他者からの評価やSNSでのインプレッションに晒される若者にとって、一切のプレッシャーを感じさせない完璧なディスタンスを提供しているのだ。