元町工場の組付ラインに足を踏み入れると、その異彩ぶりに誰もが目を見張る。前を行くクルマがバッテリーEVの「bZ4X」かと思えば、その直後には複雑なハイブリッドシステムを載せた車両が滑り込んでくる。組み立てロボットは、瞬時に車種を識別し、正確無比な動きでパーツを固定していく。
単一車種専用の大型工場を作れば、初期の投資効率は高まるかもしれない。しかし、需要が急変するグローバル市場ではリスクも膨らむ。元町工場が長年培ってきた「カイゼン」と混流技術の進化形が、この目まぐるしい時代の防波堤となっているのだ。現場の作業員に話を聞くと、「毎日違うパワートレインが入ってくるが、ミスは許されない。標準化の極致がここにある」と語った。