そもそも、なぜ地方都市である北九州市周辺に軍用兵器が出回る事態に陥ったのか。その根底には、北九州市に本拠を置いていた特定危険指定暴力団「工藤會(工藤会)」の特異な凶悪性がありました。
工藤會は他の暴力団組織と異なり、対立組織間だけでなく、みかじめ料の支払いを拒否した一般企業、飲食店、警察官OB、さらには一般市民に対しても躊躇なく武力攻撃を加える極めて攻撃的な体質を持っていました。威嚇や報復の実効性を高めるため、旧共産圏や海外ルートから密輸された軍用手榴弾、自動小銃などが組織内で備蓄されていたのです。
その極致と言える事件が、2012年に北九州市小倉北区の住宅街の倉庫からロシア製対戦車ロケットランチャー(RPG-26)や複数の拳銃、実弾が発見された事件です。装甲車すら破壊可能な軍用兵器が市街地に隠匿されていた事実は、国内外に凄まじい衝撃を与えました。