人造人間17号と人造人間18号が次々と体内に取り込まれていく一連のシークエンスは、作劇上の最大の転換点だ。尻尾の先端が不気味に広がり、生体エナジーを吸い上げるだけでなく、人間の原形をとどめたまま巨大な体躯へと呑み込んでいく。あのドロリとした肉体の伸縮描写は、手描きセル画時代のアニメーターたちが一枚ずつ泥臭い試行錯誤を重ねて描き出した狂気の産物である。
当時の東映アニメーション現場スタッフによれば、生物的なリアルさを出すために影の付け方やヌメリ感の表現には特段の神経が注がれたという。逃げ場のない絶望感、骨が軋み肉が変形するような音響効果、そして犠牲者の叫び。単なる「合体」ではなく、文字通りの「捕食」として描かれたことで、画面越しに伝わる恐怖は決定的なものとなった。