高座を下りたときの顔もまた規格外だ。かつて一世を風靡した「木久蔵ラーメン」をはじめとする実業家としての顔、漫画家・清水崑の弟子として培ったイラストレーターの顔、さらには絵本作家やエッセイストとしての顔。演芸界において、これほど多彩な肩書を軽やかに乗りこなした人物は他にいない。
長男である二代目・林家木久蔵への継承劇に見られるように、伝統を守りながらも既成概念にとらわれない柔軟なプロデュース能力は特筆に値する。失敗さえも即座にネタへと変貌させるポジティブなエネルギーは、多くのビジネスパーソンやクリエイターにとっても生きた教科書となっている。