血縁至上主義への疑問と個人の尊厳をめぐる葛藤は、エンターテインメントやメディア空間でも大きなテーマとして可視化されている。Netflixで配信される様々な家族問題ドキュメンタリーや、血のつながりと親子の絆の不条理を鋭く抉った是枝裕和監督の映画『そして父になる』は、血縁という不可逆な軛(くびき)について社会的な再考を促した。
こうした意識の変容を裏付けるように、法曹界への相談件数も増加の一途をたどっている。日本最大級の法律相談ポータルである弁護士ドットコムをはじめとするプラットフォームでは、親子間の絶縁や扶養義務の拒否に関する相談ログが日常的に更新されている状況だ。
日本弁護士連合会に所属する弁護士たちの間でも、従来の離婚問題を中心とした家族法の枠組みを超え、成人した子どもと親の権利関係を整理する新たなリーガルスキルの需要が高まりを見せている。「家族だから助け合って当然」という規範が揺らぎ、個人を守るための法技術が模索されている。