日本の映画界において、独自の世界観で観客を魅了し続ける映画監督の園子温と、色彩美とエロスを極限まで追求する写真家・映画監督の蜷川実花。表現手法こそ違えど、両者がこの独特な空間から受けたグラヴィティは計り知れない。過激な人間の生を浮き彫りにする園監督にとって、その場所は人間の本質を裸にする実験場であり、映画的インスピレーションの宝庫であった。
一方、蜷川実花にとっても、その妖艶で構築された空間美は、自身の色彩感覚や被写体へのアプローチに決定的な影響を与えたとされる。二人が口を揃えるのは、かつての東京に存在した「不適切なまでの自由」と「圧倒的な毒」の必要性だ。コンプライアンスが叫ばれる現代において、あの聖地が果たした功罪とは何だったのか。両者の視点は、現代のクリエイターが直面する表現の壁を鋭く撃ち抜く。