まず基本を押さえておくと、馬齢の読み方は「ばれい」です。文字通り「馬の年齢」を指す言葉ですが、なぜこれが人間の年齢を表す慣用句として定着したのでしょうか。
この言葉の語源・由来は古代中国に遡ります。かつて中国では、馬の価値や年齢を歯のすり減り具合で厳格に鑑定していました。馬は人間のように学問を修めたり、社会的な功績や人徳を積んだりすることなく、ただ草を食んで年を取っていきます。この様子から、「これといった功績も挙げず、無為に過ごしてきた年齢」を自嘲気味に馬に例えて「馬齢」と呼ぶようになりました。
自分をへりくだる言葉として「犬馬の労(けんばのろう)」や「犬馬の齢(けんばのよわい)」といった表現がありますが、馬齢も同じ発想から生まれた、徹底した自己否定を含む謙遜の語彙です。