桑沢デザイン研究所で工業デザインやグラフィックデザインを学んだ経歴は、彼の画面構成に決定的な個性を与えている。当時の日本の児童文学界に漂っていた情緒的なイラストレーションとは一線を画し、無駄を削ぎ落とした輪郭線、大胆な余白の配置、ポスターを思わせるフラットな色面構成を持ち込んだ。
デザインの現場で培われたロジックは、子ども向けの絵本というフォーマットに持ち込まれた途端、前衛的なポップアートへと昇華された。理屈ではなく網膜に直接訴えかける強烈なビジュアルインパクト。ページをめくる速度や視線の動きまでをも計算し尽くした空間演出は、国内外のデザイナーやクリエイターたちからも今なお熱烈なリスペクトを集めている。