かつての甲子園バックネット裏が直面していた最大の暗部は、座席をめぐる過酷な場所取りとモラルハザードでした。「中央特別自由席」が存在した時代、8号門クラブのメンバーによる一般客への威圧的な席取りや、レジャーシートを使った過度なスペース占有、割り込み行為などが社会問題化。一般の野球ファンや遠方からの観客がどれだけ早く並んでも良席に座れないという不公平感に対し、高野連への苦情や批判が殺到していました。
事態を重く見た高野連は、2016年のドリームシート導入に続き、2018年夏の第100回全国高校野球選手権大会で決定的な大改革を断行します。それが、中央特別自由席の完全廃止と「中央指定席」への移行でした。
自由席を全廃して完全指定席化したことにより、何日も前からの徹夜並びや開門ダッシュ、トラブルの原因となっていた物理的な場所取りは完全に撲滅されました。さらに安全管理の向上や熱中症対策の観点からも、指定席化は極めて合理的かつ近代的な興行形態への前進として高く評価されています。