飢餓による生存のための食人とは全く異なる次元で、政治的熱狂とイデオロギーが引き起こした凄惨な事件が存在する。1960年代後半の文化大革命期、広西チワン族自治区で発生した集団虐殺とそれに伴う食人行為である。
この戦慄すべき事実を命がけの現地取材で暴いたのが、作家の鄭義である。彼の著書『赤い記念碑』は、階級闘争の名のもとに「反革命分子」と名指しされた人々が殺害され、その肉や肝臓が宴会で消費された生々しい証言を詳細に記録している。これは飢えによるものではなく、敵対勢力を完全に屈服させ、体制への絶対的な忠誠を誇示するための狂気の儀礼であった。
事件に関与した一部の党員は後に処分を受けたものの、中国共産党はこの暗部を公式の歴史叙述から徹底的に排除し、現在に至るまで沈黙を維持し続けている。