電波の混乱を招いたもう一つの要因は、次世代規格への移行期における周波数運用の難しさにある。超高速・大容量通信を実現する「Sub6」帯や「5G SA(スタンドアローン)」の本格展開を進める一方で、4G周波数を転用した5Gエリアの拡大も併行して行われた。この結果、電波の飛び方や特性が異なる複数のバンドが複雑に混在するエリアが都市部に密集することになった。
スマートフォンの内部処理では、微弱な5G電波を掴み続けようとして、かえって安定した4G LTEへのフォールバックが遅れるケースが多発している。電気通信事業の健全な発展とユーザー利益の保護を管轄する総務省も、こうした通信品質の実態とキャリア各社の体感速度対策に対して強い関心を寄せており、見せかけのエリア拡大ではなく実効速度の担保を求めて厳しい視線を注いでいる。