ネット上の簡易DIY記事では「透明なクリアフレームに入れるだけ」と簡単に紹介されがちですが、長期展示においては見落としてはならない2つの致命的なリスクが存在します。それが紫外線による色素破壊(退色)と、密閉空間における湿気・カビです。
直射日光が当たらない北向きの部屋であっても、室内の一般的なLED照明や窓ガラスを透過した散乱光には微量の紫外線が含まれています。特に赤や黄色の染料、シルクスクリーンプリントのインクは紫外線に弱く、1〜2年の展示で目に見えて色褪せてしまうことがあります。これを防ぐには、UVカット率90%以上のアクリル板を採用したフレームを選ぶか、フレームの表面にUVカットフィルムを貼る対策が欠かせません。
さらに盲点となるのが湿気対策です。完全に密閉されたフレーム内部は温度変化によって結露が生じやすく、綿100%のTシャツは空気中の湿気を吸ってカビの温床になり得ます。裏板の内側にシリカゲル系の薄型調湿シートを1枚忍ばせておくだけで、繊維の劣化や不快な臭いの発生を劇的に抑制できます。