「自分たちのサッカー」の対極として招聘されたのが、ヴァイド・ハリルホジッチだった。「デュエル(決闘)」と「縦への速さ」を求め、従来のパスサッカーを全否定するようなスタイルは、選手たちとの間に深い溝を作った。結果、2018年ロシアW杯の開幕わずか2ヶ月前に電撃解任という前代未聞の事態に至る。
この火中の栗を拾った西野朗は、わずかな準備期間でチームをまとめ上げ、ベルギーをあと一歩まで追い詰めるベスト16進出を果たした。この劇的な幕切れは日本を狂喜させたが、同時に「場当たり的な監督交代でも結果が出る」という、日本サッカー協会(JFA)の強化方針における危うい前例を作ることにもなった。