日本の伝統的な和食において、酸味の使いこなしは料理人の腕の見せ所だ。かつて料理界の巨星・服部幸應氏も、和食における「甘味・塩味・酸味の調和」の重要性を深く説いていた。三杯酢の伝統的な基本比率は「酢1:醤油1:みりん(または砂糖)1」。まさに「三つの杯で同量を測る」ことからその名がついたとされる。
NHKの長寿番組『きょうの料理』でも、きゅうりとタコの酢の物や、もずく酢の定番レシピとして三杯酢は幾度となく紹介されてきた。最近では放送を見逃した人々が「NHKプラス」で手軽におさらいしたり、プロの料理人が「YouTube」で黒酢を使った特製三杯酢の作り方を配信したりと、レシピの共有環境も大きく進化している。自家製の三杯酢を作る際、ベースの酢を黒酢に置き換えるだけで、料亭級の深いコクが生まれる裏技も人気を博している。