古代の怪物は、形を変えて2026年代の現代社会にも深く根付いています。もっとも身近な例が、世界的なコーヒーチェーン「スターバックス」のシンボルマークです。
緑色の円の中に描かれている冠をかぶった女性は、まさにセイレーンそのもの。創業メンバーが航海やシアトルの港町としての歴史にちなむシンボルを探していた際、16世紀の古い木版画に描かれていた「2つの尾を持つセイレーン(ツインテール・サイレン)」を発見し、採用したのが始まりです。「人々を魅了して虜にするコーヒーの香り」を、航海者を惹きつけたセイレーンの歌声になぞらえています。
さらに、消防車や救急車、空襲警報などの「サイレン(Siren)」という言葉も、セイレーンが語源です。1819年にフランスの物理学者カニャール・ド・ラ・トゥールが水中で音を鳴らす音響機器を発明した際、水の中でも美しく響くセイレーンの名をとって「シレーヌ(サイレン)」と名付けたことが直接のルーツとなっています。