今年の黄砂がこれほどの脅威となっている背景には、大陸における今冬の極端な乾燥と、春先に発達した強力な低気圧の存在がある。ゴビ砂漠や黄土高原で巻き上げられた膨大な土壌粒子が、強い偏西風のルートに乗った。
問題は量だけではない。粒子が長距離を移動する過程で、途中の工業エリアから排出された大気汚染物質を吸着しながら日本列島へ到達している点だ。気象衛星や観測データの解析によれば、粒子の層は上空数千メートルから地表付近まで極めて厚く堆積している。都心部で空が黄色く濁って見えるのは、この分厚い砂の幕が太陽光を乱反射しているためだ。