歴史の授業で習う聖徳太子といえば、十七条憲法や冠位十二階を定めた偉大な政治家だ。しかし、日本のポップカルチャーにおいて最も有名な「太子」は、間違いなくあの青いジャージを着た、わがままで変態的な男だろう。相棒の小野妹子に冷たくあしらわれながら、中身のない議論を繰り広げる姿は、発表から20年以上経った今でも新鮮さを失っていない。
このキャラクター造形の妙は、単なる歴史パロディにとどまらない点にある。偉人を神格化するのではなく、人間の小ささや見栄、どうしようもないエゴを極限までデフォルメして描く。この普遍的な「人間の滑稽さ」こそが、時代を超えて愛される最大の理由だ。