しかし、近年の気候変動はこのパワーバランスを揺るがしています。2026年に入り、北極圏では過去に例を見ないペースで海氷の減少が観測されています。海水が露出すると、太陽光を反射していた白い氷がなくなり、黒い海が熱を吸収する「正のフィードバック」が加速します。これにより、北極の温暖化スピードは地球全体の平均の4倍以上に達しています。
一方で、かつては温暖化の影響を受けにくいとされていた南極でも、近年は不穏な動きが見られます。巨大な棚氷が崩壊し、大陸を覆う氷床が海へと流れ出す速度が増しているのです。どちらが寒いかという比較そのものが、地球の崩壊プロセスを観察する指標になりつつあります。