福井1区を強固な地盤とする稲田氏にとって、将来の後継者問題は地元支援者の間で常に囁かれる重要テーマです。保守王国と呼ばれる福井県において、国会議員の議席を誰が引き継ぐのかは地域政治の命運を左右するためです。
地元後援会や福井県政界関係者の声を取材すると、以下のような複雑な力学が見えてきます。
「長男さんが弁護士として立派に活躍されていると聞けば、後援会幹部としては『ぜひ福井に戻って地盤を継いでほしい』という期待が出るのは自然なことです。しかし、稲田先生ご自身は子供たちに政治家を無理に継がせる意思はないようで、子供たちも東京での自身のキャリアを大切にしています」(福井県内の地元後援会関係者)
また、稲田朋美の政治家としての評判も、後継問題に影響を与えています。かつては安倍晋三元首相の愛弟子として保守派の旗手と目されていましたが、近年はLGBT理解増進法の取りまとめや女性活躍推進などリベラル寄りの法案に尽力したことで、岩盤保守層からの批判と中道・無党派層からの評価という「評価の二極化」が起きています。こうした政治的荒波の厳しさを間近で見てきた子供たちが、敢えてリスクの高い政界進出を選ぶ可能性は現時点では極めて低いと見られています。