なぜ玉山鉄二は、世間から「激変」と評されるほどの変化を厭わないのでしょうか。その決定的な理由は、彼の演技論における「フィジカル(肉体)からの役へのアプローチ」にあります。
日本の一部の映像現場では、どんな役を演じても本人のイメージを崩さないスターシステムが根強く残っています。しかし玉山鉄二は、海外のいわゆる「メソッド演技」に近い哲学を持ち合わせています。過去の記者発表会でも、役柄の生活環境や精神状態を反映させるために、撮影数カ月前から食生活を徹底的に管理し、筋量を落として脂肪を乗せたり、逆に過酷なウェイトトレーニングで身体を絞り上げたりするプロセスを淡々と語っています。
たとえば、実写映画『次元大介』で単独主演を務めた際、彼はガンアクションのリアリティを追求するため、無駄な贅肉を極限まで削ぎ落とし、帽子を目深に被ったシルエットだけで「次元そのもの」に見えるプロポーションを作り上げました。一方で、社会の不条理に翻弄される疲弊した中年男性を演じる際には、あえて浮腫みや腹周りの弛みを隠さず、生活のリアリティをカメラの前に差し出します。この徹底した役への奉仕精神こそが、ビジュアルの変幻自在さをもたらしている本質です。