映画公開の前後、映画レビューサイトFilmarksや大手掲示板、X(旧Twitter)上では、白石麻衣の演技力を巡って激しい議論が交わされました。公開初期に見られたネガティブな言説と、映画ファンの間で定着した実質的な評価の内訳を検証すると、興味深い乖離が浮き彫りになります。
公開初週に散見された批判的な意見の多くは、「日常会話のトーンにやや硬さがある」「セリフ回しが平板に聞こえる瞬間がある」といった、初主演級の映画に対する先入観に基づいたものでした。とりわけ、恋人役である千葉雄大との穏やかな日常シーンにおいて、アナウンサー的な滑舌の良さが逆に「ドラマとしての生々しさに欠ける」と指摘される傾向にありました。
しかし、物語が後半の監禁・心理戦へと突入するにつれ、観客の反応は一変します。前作で観客を戦慄させた凶悪殺人鬼・浦野善治(演:成田凌)と対峙する場面において、白石麻衣が見せた「恐怖に抗いながら瞳の奥に宿した強い意志」は、批評家からも高い評価を集めました。
「成田凌の狂気に満ちた怪演に対し、引くのではなく真っ向から目線でぶつかり合っていた。怯えながらも屈しない瞳の強さは白石麻衣にしか出せない説得力がある」
現場取材陣や映画ライターの間でも、単なる「悲劇のヒロイン」に留まらず、自身のスマートフォンを取り戻し窮地を脱しようとする能動的なサバイバル演技が高く評価されました。結果として、ネット上の初期の懸念は杞憂に終わり、乃木坂46卒業後の女優転身を決定づける代表作として認知されるに至ったのです。