目分量や自己流のすりきりによって生じる誤差を排除し、常に正確な分量を再現するためには、調理科学に裏打ちされた「正しい計量の所作」を身につける必要があります。
【失敗しないすりきり計量の3ステップ】
第一に、計量スプーンを砂糖の保存容器に深く入れ、スプーンのフチから山盛りになるようたっぷりとすくい取ります。ここで最初から平らにならそうとせず、スプーンの上にこんもりと小山を作るのがポイントです。
第二に、平らなヘラ、バターナイフ、あるいは別のスプーンの直線的な柄を直角に当てます。指の腹でならす人も見受けられますが、指の柔らかさによって中央部が窪み、規定量より1〜2g少なくなる誤差が生じるため避けるべきです。
第三に、スプーンのフチに沿わせて、余分な砂糖を水平にサッと滑らせて削ぎ落とします。力任せに削るのではなく、スプーンのヘリとヘラの刃を密着させて水平移動させることが重要です。
現場で最もやりがちな致命的なNG行動が「スプーンを容器の壁面に押し付けてならす」行為です。しっとりした上白糖を容器のフチにギューッと押し付けてすりきると、粒子内部の空気が押し出されて圧縮され、大さじ1杯で本来約9gであるはずのものが12g〜14g近くまで凝縮してしまいます。これはグラニュー糖を山盛りにすくったのと同じ分量であり、味の設計が根底から崩れる最大の要因です。
また、計量カップを使って砂糖を量る際、カップの底を調理台にトントンと打ち付けて表面を平らにする行為も厳禁です。振動によって砂糖が沈み込み、規定量より20〜30%も多く計量されてしまいます。粉体の体積計量は「ふんわりすくって平らに切る」が鉄則です。