谷川俊太郎『朝のリレー』全文|教科書の名詩が伝える真意と地球の息吹

谷川俊太郎『朝のリレー』全文|教科書の名詩が伝える真意と地球の息吹

谷川俊太郎『朝のリレー』全文|教科書の名詩が伝える真意と地球の息吹の注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。

まずは、著作権法第32条に規定される正当な引用の要件に基づき、批評・研究の対象として詩の全文を掲示します。行分けや言葉の響き一つひとつに込められたリズムを確かめながら、その世界観に触れてみてください。

『朝のリレー』 谷川俊太郎

カムチャツカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
朝日にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

この作品を、情景が目に浮かぶようにわかりやすく噛み砕いた朝のリレー 現代語訳(鑑賞用パラフレーズ)として整理すると、次のような世界が立ち現れてきます。

「極寒のカムチャツカ半島で青年が、遠くアフリカにいるはずのキリンの夢をみながら眠りについているその瞬間、地球の裏側にあるメキシコでは、少女が朝もやの立ち込めるバス停で一日の始まりを待っています。ニューヨークの幼い少女が心地よい眠りの中で微笑んで寝返りを打つとき、遠く離れたイタリア・ローマの少年は、昇ってきたばかりの朝日に向けて軽やかにウインクをしています。そう、私たちが暮らすこの地球の上では、途切れることなく、常にどこかの街で新しい朝が生まれているのです。」

「私たち人間は、太陽の光とともにやってくる朝というバトンを、経度から経度へと次々にリレーしています。昼に活動する者が夜に眠る者を支え、そうして互いに交代しながら地球という生命の星を守り合っているのです。夜、あなたが布団に入って眠りにつく直前、静かに耳を澄ませてみてください。遠い異国の地で、チリリンと鳴り響く目覚まし時計の音が聞こえてくるはずです。その音こそ、あなたが今日一日を一生懸命に生き抜いて手渡した朝のバトンを、地球のどこかにいる誰かが確かに受け取ってくれた証拠なのです。」

伊藤 翔太
Author

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。