劇中の出来事を正確に追う「マーベル ディフェンダーズ 時系列」と、前述の「ディフェンダーズサーガ 公開順」には、細かなズレが存在します。しかし、結論から言えば厳密な劇中時系列順で追うメリットは極めて薄く、むしろ公開順の方がドラマツルギー(劇的効果)を損ないません。
時系列のズレが生じている代表例が『パニッシャー』シリーズです。フランク・キャッスル(パニッシャー)は『デアデビル』シーズン2で鮮烈な初登場を果たし、その後を描く単独作『パニッシャー』シーズン1は、劇中の描写から『ザ・ディフェンダーズ』の事件とほぼ同時期、もしくはその直後に位置付けられています。しかし、物語のトーンは完全に独立したハードボイルド軍事サスペンスとなっており、クロスオーバー本編の展開に直接干渉しません。
また、登場人物の交差点として機能する「クレア・テンプル(演:ロザリオ・ドーソン)」の動線に注目すると、公開順の必然性が浮き彫りになります。彼女は『デアデビル』で負傷したマットを救護したことを皮切りに、『ジェシカ・ジョーンズ』『ルーク・ケイジ』『アイアン・フィスト』へと夜勤看護師として渡り歩き、最終的に4人を結びつける接着剤となります。公開順に沿って視聴することで、視聴者は彼女の目線を通じて「路地裏のヒーローたちが徐々に一本の線で結ばれていく高揚感」をそのまま追体験できるよう緻密に設計されているのです。