戦後の日本経済を裏から支え続けたのは、間違いなく鉄鋼業だった。24時間365日、休むことなく火を灯し続けた高炉は、日本のモノづくり精神の象徴でもあった。しかし、世界的な脱炭素化の波と構造変化は、この巨大産業に非情なまでの転換を迫った。
二酸化炭素の排出削減は、もはや避けて通れない至上命令だ。経済産業省による強烈なグリーンシフトの要請とグローバルな市場競争の激化を受け、エネルギー消費の構造そのものを根底から見直す必要が生じた。かつての「鉄の王国」が選んだ道は、衰退ではなく、自らをエネルギー供給側へと再定義する大バクチだった。