デビュー曲『NAI・NAI 16』から始まった彼らの快進撃は、正統派の王子様路線とは一線を画していた。不良っぽさと親しみやすさを同居させた絶妙なキャラクター造形。そのピークを示したのが、誰もが耳を疑った斬新なナンバー『スシ食いねェ!』だ。寿司ネタを早口で連呼する型破りな歌詞とキャッチーなビートは、当時の音楽シーンを根底から揺さぶった。
さらに映画『バロー・ギャングBC』で見せた疾走感あふれる演技など、彼らは単なる歌って踊るアイドルにとどまらず、サブカルチャーのアイコンとしても機能していた。昭和アイドル歌謡の歴史において、これほどまでにパロディと本気度を高次元で融合させたグループは他に類を見ない。その中心でシニカルな笑みを浮かべ、楽曲のスパイスとなっていたのが薬丸の存在感だった。