阿含宗にまつわる著名人の噂を紐解くと、昭和の大物俳優から国民的女優、さらにはスポーツ選手に至るまで多彩な顔ぶれが並ぶ。なかでも長年ネット上で名指しされ続けてきたのが沢口靖子をはじめとする東宝系俳優や、京都にゆかりの深い時代劇スターたちだ。週刊誌のバックナンバーを洗い直すと、1980年代後半から1990年代にかけて、彼らが教団の公式行事で見かけられたとする目撃談や、機関誌への登場を巡る真偽不明の情報が幾度となく活字になってきた。
だが、関係者の証言を突き合わせると、実態は一様ではない。単なる「仕事としてのイベント出演」や「舞台の成功祈願」で護摩木を奉納しただけのケースが、後年に誇大解釈されて熱心な信者リストへとすり替えられた例が少なくないのだ。当時の芸能プロダクション幹部はこう明かす。「当時は京都での大規模イベントとなれば、東西のタレントが挨拶に出向くのは珍しいことではなかった。それが後年、ネット上で『広告塔』として固定化されてしまった面は否めない」。信仰告白とビジネス上の付き合いの境界線は、当時きわめて曖昧だった。