この建築を眺めていると、不思議な生命感に気づかされる。無機質なコンクリートの塊でありながら、まるで生き物のように周囲の景観と呼吸を合わせているのだ。
1960年代の日本を席巻した建築運動「メタボリズム建築」は、都市や建築を生物のように有機的に成長・新陳代謝するものとして捉えた。大谷幸夫自身は厳密なメタボリスト集団に属していたわけではないが、この会館にはその思想が色濃く漂う。増築を前提としたモジュール構造や、外部へとダイナミックに伸びる梁の造形は、まさに成長する巨大樹そのものである。
隣接する宝ヶ池公園の豊かな緑や水辺、背後に連なる山々の稜線と、斜めに傾斜した外壁の角度が見事な調和を見せる。自然を排除して人工物を誇示するのではなく、周囲の地形と対峙しながら溶け込ませる設計思想が、半世紀以上の時を経た今も圧倒的な鮮度を保ち続けている。