客室フロアへ足を踏み入れると、静かな興奮が押し寄せてくる。空間デザインを手掛けたのは、日本を代表するインテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏。金沢が誇る金箔や加賀友禅、九谷焼の色彩感覚を、大胆かつモダンな解釈で現代空間へと昇華させている。
足元の絨毯には金沢の街並みをモチーフにしたグラフィックが走り、壁面を飾るアートピースが視線を奪う。決して押しつけがましくない。だが、細部まで計算し尽くされた美意識が心地よい緊張感を生む。ベッドは適度な硬さで体を包み込み、長旅の疲れを吸い取っていくようだ。
バスルームの設計も見事というほかない。独立した洗い場付きのバスコープは広々としており、オーバーヘッドシャワーから注ぐ湯の肌あたりは格別。アメニティのセレクトから照明の調光に至るまで、滞在者が部屋で過ごす一秒一秒を贅沢なものにする工夫が散りばめられている。