施設の中庭に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが全長数十メートルに及ぶ巨大な足湯だ。田沼温泉の源泉を引いた湯は肌触りが柔らかく、ドライブで強張った下半身をじんわりと解きほぐしてくれる。利用料は無料。タオルの自販機も完備されており、手ぶらでふらりと立ち寄れる気軽さがたまらない。朝の冷たい外気の中、湯気に包まれながら地元の常連客と県外からの観光客が肩を並べて談笑する風景は、この場所の日常だ。
胃袋を満たすなら、本格中華レストラン「CHINESE DINING 花茶美」や和食処「はなみずき」が提供する限定佐野ラーメンを外すわけにはいかない。食べログなどのレビューサイトでも高評価を集めるこの一杯は、伝統の青竹手打ち麺特有のピロピロとした心地よい舌触りと、鶏ガラと香味野菜の旨味が幾重にも重なる澄んだ醤油スープが特徴だ。王道を守りつつも、ここでしか食べられない季節限定の特製トッピング麺は、昼時には長蛇の列を生む。
そして、最大の戦場となるのが「朝採り館」と銘打たれた農産物直売所だ。プロが実践する裏ワザは「午前9時30分までの入店」と「値札シールの生産者チェック」に尽きる。地元農家が早朝に搬入する採れたての朝採り野菜、甘みが凝縮されたイチゴ「とちあいか」や「スカイベリー」は、午前中の早い段階で棚から消え去る。さらに、佐野名物のB級ご当地グルメである「いもフライ」や特製蒸しパンは、奥の調理場から補充された瞬間を狙うのが鉄則。冷めても美味いが、揚げたての熱気と特製ソースのスパイシーな香りが立ち上る瞬間は格別だ。