デジタル空間における飼育者コミュニティ(XやYahoo!知恵袋など)を調査すると、毎年夏から秋にかけて膨大な数の失敗事例と悲鳴が投稿されています。その大半は、悪意ではなく「良かれと思って施した過剰な世話」が引き金となっています。
現場の声として最も顕著なのが、「子どもが毎日せっせと霧吹きをして、ケースの底に水が溜まり、数日でバッタの脚が黒ずんで脱落した」というケースです。バッタの気門(呼吸孔)は腹部の側面にあり、過度な水滴や高湿度によって気門が塞がれると窒息死します。また、濡れたフンがケージ内に放置されることで有害なガスが発生し、中毒死に至るパターンも頻証されています。
さらに、知恵袋で目立つのが「キャベツをたくさん入れたのに、葉の筋だけ残して死んでいた」「リンゴのかけらを入れたらコバエが湧いて全滅した」という投稿です。果物や糖分の多い野菜は腐敗が極めて早く、ショウジョウバエや線虫を呼び寄せます。野外採取したイネ科の草であれば、乾燥してもそのまま繊維質として残るため安全ですが、人間の食べる食材を無秩序に投入することは環境崩壊の引き金にしかなりません。
生の声から浮き彫りになるのは、「バッタはペットショップの哺乳類のように手をかければかけるほど喜ぶ生き物ではない」という現実です。「十分な広さの空間」「適切なイネ科の生草」「風通しの良い乾燥環境」の3要素さえ固定すれば、過剰な干渉を排した方が生存率は跳ね上がります。