卵に熱を通すとゆで卵になる。一度固まった白身は、どれだけ冷やしても生卵には戻らない。デジタルパーマで髪に起きる「タンパク変性」も、まさにこれと同じ現象だ。
薬剤で髪の結合を切断した状態で、70度から100度近い高熱をロッドからダイレクトに加える。このプロセスが毛髪内部のコルテックスを不可逆的に硬化させる。施術直後はトリートメントの油分でツヤやかに見えても、数ヶ月が経過してコーティングが剥がれ落ちた瞬間、指通りの悪さとなって牙を剥く。最悪の場合、毛先がチリチリと縮れる「ビビリ毛」と呼ばれる修復不可能な状態に陥り、切る以外の選択肢が消滅する。このリスクを天秤にかけたとき、多くの美容師が二の足を踏むのは当然と言える。