家庭で作るタレが、どうしても専門店に及ばない最大の理由は「旨味の深さ」にある。老舗の天ぷら店では、何十年も継ぎ足されたタレが使われている。その中には、揚げたての天ぷらをタレにくぐらせる際、衣に染み込んだごま油や素材(エビや穴子など)の旨味が少しずつ溶け出しているのだ。
この「継ぎ足しのコク」を家庭で瞬時に再現する裏ワザがある。それは、タレを煮詰める段階で「天かす(揚げ玉)」を少量投入することだ。天かすから溶け出す上質な油分とコクが、タレ全体に驚くほどの深みとプロっぽい風味をもたらしてくれる。仕上げに天かすを取り除けば、見た目も美しく仕上がる。