CT画像を読影した医師から「すりガラスのような影が見える」と説明されることがあります。これがいわゆるすりガラス陰影(GGO: Ground-Glass Opacity)です。
すりガラス陰影とは、肺胞の空気が完全に潰れず、薄いレースのカーテンを透かして見るように血管や気管支の輪郭が判読できる淡い陰影を指します。このGGOには大きく分けて2つのタイプがあり、肺結節の良性悪性の見分け方における最重要指標となります。
- 純すりガラス結節(Pure GGO):全体が均一に白くぼやけている病変。前がん病変である異型腺腫様過形成(AAH)や、非浸潤性の超早期肺がん(上皮内腺がん:AIS)の可能性が考えられます。ただし、増大速度が極めて緩慢で、何年も変化しないことも多いのが特徴です。
- 部分充実型結節(Part-solid GGO):淡いすりガラス影の中に、白く固まった芯のような「充実成分」が混在している病変。充実成分を含むGGOは、微小浸潤性肺がん(MIA)など周囲へ浸潤する悪性腫瘍の確率が跳ね上がるため、強い警戒が必要になります。
悪性を疑うCT画像の形態的特徴としては、結節の輪郭がギザギザしている(スパイキュラ)、周囲の胸膜を内側に引き込んでいる(胸膜陥入像)、内部に気管支が巻き込まれて拡張している(気管支透亮像)などが挙げられます。逆に、内部に明らかな石灰化や脂肪成分を含んでいる場合は、結核の痕跡や良性の過誤腫であると断定できます。