多くのファンに惜しまれつつシャッターを下ろした「オーボンヴィヴェール」と「ステーキハウス彩」。その直接的な引き金となったのは、2026年4月6日に運営元である株式会社ホテル横浜ガーデンが横浜地方裁判所へ破産申請を行った事態でした。当時、世界的な感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令により、インバウンド需要の消失、ブライダルや大規模宴会の全キャンセルが重なり、資金繰りが一気にショートしたことが報じられました。
しかし、帝国データバンクなどの信用調査資料や当時の業界内部の動きをつぶさに追うと、単なるパンデミックだけが原因ではなかったことが浮き彫りになります。1980年代後半に開業した同ホテルは、横浜スタジアム至近という抜群の立地を誇りながらも、みなとみらい地区に相次いで進出した高級外資系ホテルや最新シティホテルとの間で激しい客室単価競争に晒されていました。
建物の経年劣化に伴う大規模改修投資の負担と、長期借入金の重圧が経営の体力を削っていた時期に、未曾有の観光需要消失がトドメを刺す形となったのです。オーボンヴィヴェールやステーキハウス彩は、ホテル直営のインハウスレストランとして高い売上と固定ファンを抱えていたものの、ホテル本体の破産管財手続きに巻き込まれる形で、独自の営業継続という選択肢すら奪われ、一夜にして閉店へと追い込まれました。