デザインの現場において、締め切りは常に背後に迫っている。ゼロから作画する時間がないマーケターやデザイナーにとって、信頼性の高いフリー素材のストックは生命線だ。日本国内で圧倒的なシェアと認知度を誇るのが、みふねたかし氏が手掛ける『いらすとや』だろう。その汎用性の高さは言わずもがなだが、他社と差別化を図りたいプロジェクトでは、より専門性の高いストックフォトサイトの選定が勝負の分かれ目となる。
高品質な素材を求めるクリエイターの間で支持を集める『PIXTA』では、汎用的なカットにとどまらず、季節ごとのイベントやビジネスシーンに特化した高品質なベクターデータが日々追加されている。商用利用時のライセンス規約を厳密にクリアしつつ、ブランドイメージを損なわない素材を見極める審美眼が求められる。
では、他と決定的な差をつけるオリジナルイラストを描くにはどうすればよいのか。プロの現場で実践されている「即戦力の3大作画メソッド」を特別に公開しよう。
第一に「シルエットの完結性」だ。下書きの段階で全体を黒一色で塗りつぶしてみてほしい。その状態でもひと目で「ひよこ」と認識でき、なおかつ愛嬌が伝わるか。余分な凹凸を削ぎ落とし、卵型をベースにした滑らかな曲線を意識するだけで、造形強度は格段に跳ね上がる。
第二に「パーツの黄金比率」である。目を配置する位置は、頭部全体の中心線よりもやや下、下部3分の1のラインに設定する。さらに、両目の間隔をあえて少し離すことで、幼さと脱力感が劇的に強調される。くちばしは極小の三角形にとどめ、目のすぐ下に寄せるのが現代風に仕上げる定石だ。
第三に「限定的なパレット設計」だ。メインのイエロー、くちばしと足のオレンジ、ハイライトのオフホワイト、輪郭線のダークブラウン。使用する色を4色以内に絞り込むことで、画面全体のノイズを排除し、洗練されたグラフィックへと昇華させることができる。