宇治橋の起源は、大化の改新直後の大化2年(646年)に遡ります。奈良元興寺の僧・道昭(どうしょう)によって架けられたと伝えられ、交通の要衝として軍事・経済の両面で極めて重要な役割を果たしてきました。激流が渦巻く宇治川に橋を架ける難工事は、当時の土木技術の粋を集めた一大事業でした。
宇治川の氾濫や度重なる戦乱により、幾度となく流失と再建を繰り返してきた点もこの橋の宿命です。織田信長や豊臣秀吉による修補を経て、明治期以降は近代的な橋へと姿を変えた時期もありました。しかし、1996年(平成8年)の架け替え事業において、歴史的景観を取り戻すべく伝統的な木桁橋の意匠を取り入れた大規模な再建が完了。ヒノキの高欄と青銅の擬宝珠(ぎぼし)を備えた現在の優美な姿が蘇りました。
新しい橋を祝う「渡り初め」などの伝統儀式も大切に受け継がれており、単なる交通インフラにとどまらず、地域文化の象徴として守り継がれています。