後継者不足や原材料費の高騰により、日本の和菓子製造業は厳しい局面に立たされている。しかし、岐阜県菓子工業組合を中心とした地域ぐるみでの保存とブランディングへの取り組みが、新たな風を吹き込んでいる。伝統の製法を厳格に守りつつ、品質向上に向けた技術交流を重ねることで、ブランド価値を高めてきた。
世界的に知られるパティシエの辻口博啓氏も、この和菓子の持つ潜在能力と味の完成度に深い関心を寄せている。「甘みと塩気、味噌の持つ発酵の旨味が団子というシンプルな媒体で見事に調和している」と評価。洋菓子のトップランナーから見ても、職人の精巧な技法と素材のバランスは驚嘆に値するという。伝統を守る職人たちの熱意が、衰退が危惧される業界全体に勇気を与えている。