高校化学の授業が始まって間もない時期、化学基礎の濃度変換でつまずく理由は極めて明快です。それは、公式を「無機質な文字の羅列」として丸暗記しようとし、計算の過程で分母(溶液)と分子(溶質)の単位がどのように変化しているのかを見失ってしまう点にあります。
質量パーセント濃度は「溶液の質量 [g]」に対する「溶質の質量 [g]」の割合(%)を示しているのに対し、モル濃度は「溶液の体積 [L]」の中に含まれる「溶質の物質量 [mol]」を表します。つまり、濃度変換を行うためには、次の2つのステップを同時に行わなければなりません。
① 溶質の量を「質量 [g]」から「物質量 [mol]」へ変換する(モル質量・分子量を用いる)
② 溶液の量を「質量 [g]」から「体積 [L]」へ変換する(溶液の密度を用いる)
この二重の変換作業が頭の中で混ざり合い、「どこで密度をかけ、どこで分子量で割るのか」が曖昧になることこそが、受験生を悩ませる最大の要因です。