丙午の呪縛と出生率激減の深層!迷信の正体と社会が直面する現実

丙午の呪縛と出生率激減の深層!迷信の正体と社会が直面する現実

丙午の呪縛と出生率激減の深層!迷信の正体と社会が直面する現実の最新情報をご紹介します。最新トレンドがチェックできます。

この強烈な禁忌の源流をたどると、江戸時代前期の悲劇的な事件に行き着く。天和の大火で避難した寺の小姓に恋い焦がれ、再び逢いたい一心で放火を試みたとされる少女、八百屋お七である。彼女は火刑に処されたが、この物語を決定的に脚色し世間に定着させたのが浮世草子作家の井原西鶴だった。

西鶴が著した『好色五人女』の中で、お七は「丙午(ひのえうま)の生まれ」として劇的に描かれた。情熱のあまり身を滅ぼす激しい女――この強烈なキャラクター造形が歌舞伎や浄瑠璃などの大衆芸能によって増幅され、民衆の無意識へと刷り込まれていった。史実におけるお七の生年は諸説あり、創作によって後付けされたプロパガンダに近い。つまり、数百万人の人生を翻弄した呪いは、近世のメディアが生み出したフィクションの産物だったのだ。

山崎 陸
Author

山崎 陸

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。