松田聖子が初めてNHKホールの舞台を踏んだのは、デビュー年である1980年(第31回)のことでした。トレードマークとなった「聖子ちゃんカット」で披露した「青い珊瑚礁」は、日本中に新しい時代の幕開けを強烈に印象づけました。
以降、1988年まで9年連続で出場を果たし、「夏の扉」「野ばらのエチュード」「ガラスの林檎」「Rock'n Rouge」「天使のウィンク」など、日本のポップス史に燦然と輝くシングル表題曲を毎年惜しみなく披露。その後、休級期間や全米進出を経て1994年に復帰して以降も、節目ごとに圧巻のステージを展開し、これまでの通算出場回数は25回に達しています。
特筆すべきは、単なるヒット曲の羅列にとどまらず、アルバム収録曲やバラードの名曲が紅白という大舞台を通じて「国民的スタンダードナンバー」へと昇華していった点です。昭和のアイドル黄金期から実力派ボーカリストへと進化を遂げる過程が、そのまま紅白の歴代歌唱曲の変遷に刻み込まれています。