川島なお美さんがメディアの前に最後に姿を現したのは、2015年9月7日に都内で行われたシャンパンの祭典「シャンパーニュ騎士団」の叙任式でした。この日撮影された一連の写真が、事実上の「最後の公の写真」として広く知られることになります。
ノースリーブで背中が大胆に開いた黒のイブニングドレスに身を包んだ川島さん。フラッシュを浴びるその肉体は骨の輪郭が浮き出るほど細く、首筋や腕の痛々しい痩せぶりは、会場にいた記者陣を息をのませました。当時の体重は推定で30キロ台前半から32キロ前後まで落ち込んでいたと見られています。
しかし、痛々しい姿とは対照的に、彼女の表情には一切の悲壮感がありませんでした。「ワインは私の血」と語ってきた往年と変わらぬ優雅な微笑みを浮かべ、夫の鎧塚俊彦氏の手を取りながら、記者の問いかけに対しても澄んだ張りのある声で気丈に応答していました。このときすでに身体は限界を迎えていたにもかかわらず、スポットライトを浴びた瞬間に完璧な「女優・川島なお美」を演じきった姿は、世間に途方もない衝撃を与えました。