鉄道写真は一瞬のシャッターチャンスに全てを懸けるジャンルであり、機材や光線状態に関するシビアな専門用語が多数存在します。
代表的な光線状態の用語が「バリ順(ばりじゅん)」です。「バリバリの順光」を意味し、車体前面にも側面にも均等に太陽光が当たっている最高の撮影コンディションを指します。逆に、曇天で光がフラットな状態は「ヌル晴れ」、逆光で車体が真っ黒になってしまう現象は失敗例として扱われます。
構図上のタブーや失敗を表す言葉にも独特の表現があります。
- 串パン(くしぱん):線路脇の架線柱が、車両のパンタグラフに串刺しのように重なってしまう構図のミス。
- カツカツ:写真のフレーム内に車両がギリギリまで迫り、余白がほとんどない状態。
- 裏被り(うらかぶり):狙っていた本命列車の奥を、別の列車がすれ違いで横切ってしまい背景が乱れる現象。
- ハイビ:対向列車がヘッドライトを「ハイビーム」で点灯させて走行してくること。強い逆光となり撮影難易度が跳ね上がります。
機材面では、「大砲」と呼ばれる300mm〜600mmクラスの超望遠単焦点レンズ(サンニッパ、ヨンニッパ、ロクヨンなど)がステータスとされ、置きピン(列車の通過位置にあらかじめピントを固定する手法)の正確さが仕上がりを左右します。