日本の法制度において、長らく18歳未満の少年犯罪者の実名報道は少年法第61条によって厳密に制限されてきた。そこには「更生の機会を奪わない」という強い理念が存在していたからだ。しかし、近年の少年法改正によって一部の特定少年(18歳・19歳)に対する実名報道のハードルが下がったことで、議論は新たなフェーズを迎えている。
かつて凶悪犯として社会を激震させた事件の当事者が、少年法の庇護のもとで匿名のまま社会に復帰した事例について、国民の納得感は必ずしも得られているとは言えない。事件の苛烈さと与えられた処遇のバランスに対する違和感が、ネット上での自発的な特定運動を加速させている側面は否定できないだろう。