名実ともに彼の代名詞となったテレビドラマの金字塔において、稀代の名探偵・杉下右京が魅せる深みは増すばかりだ。特に、長年の盟友である寺脇康文演じる亀山薫とのタッグ再結成以来、作品が醸し出すダイナミズムはかつてない熱量を帯びている。二人が現場で見せる阿吽の呼吸は、台本を超えたリアルな人間関係の産物であり、長年培われた深い信頼関係なしには生まれ得ない。
単なる事件解決のミステリーにとどまらず、現代社会が抱える複雑な闇や人間模様を鋭く穿つストーリー展開は、長年視聴者の心を掴んで離さない。杉下右京というキャラクターが持つ変幻自在の知性と頑ななまでの正義感は、水谷自身の緻密な役作りによって、常に新鮮な驚きを与え続けている。