数字の裏には、常に現場の摩擦が潜む。収容頭数が数千頭規模へ拡大するにつれ、現場のオペレーションは急速に飽和状態へと追い込まれた。感染症の流行や個体管理の行き届かなさ、スタッフの過重労働といった痛烈な現実が表面化すると、外部の動物愛護家や一部メディアからの批判が噴出した。
「目の前の命を殺処分から救うこと」と「一頭一頭のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を保証すること」。この二つの正義は、時に鋭く対立した。安易な収容拡大がもたらすリスクをめぐる議論は、日本における適正飼育頭数やシェルター規格のガイドライン作りを加速させる直接の動機となった。